あの人に会うまでの私はね、きっと悪魔に取り付かれていたんだと思うの。

…おおげさかもしれないけどね?



気が付いたら両親はもういなかった。

両親が居ない私はお父さんのお姉さんのところに住まわせてもらった。

いつでも明るく元気で勝気で、お母さんというよりお姉さんみたいに良く接してくれた。

でもその3年後、その伯母さんは旅立ってしまった。

死因は一酸化炭素中毒。その伯母さんを一番最初に発見したのは他の誰でもない私だった。

3年ずっと一緒に暮らしていて、いきなりの出来事だった。酷かった。

伯母さんがいなくなってしまったので、私は叔母さんのお父さんお母さん、

つまり祖父母の家に世話になる事になった。

でもその2年後、祖母と隣町まで買い物に行った時のことだった。

駅のホームで電車を待っていた。電車はすぐそこまで来ていた。

『帰ったら七の大好きなクッキー一緒に作ろうね』

いつもそんな風に気を使ってくれる、優しい祖母が私は大好きだった。

それが祖母から聞いた最後の言葉になってしまった。

電車がホームに着くというその時。

祖母がゆっくりと前へ前へ足を踏み出して行き


次の瞬間、



その1週間後に祖父も旅立ってしまった。


祖父母がいなくなってしまい、今度は母方の祖父母の家に住まわせてもらう事に…


しかし物事がそんな簡単に進むはずもなく。

私はその母方の祖父母の家から拒否されてしまいました。

それからしばらくの間親戚中を当たりましたがどこからも拒否され盥回し状態になってしまいました。

無理もないでしょう。私の行く先で人が5人も死んでいるのですから。


その時の私は何を思っていたのか、家を飛び出してしまいました。

荷造りも何もせず、ただその場から逃げたくて出てきてしまったのです。

しかしそこからどうして行けばいいのか自分には何も分かりませんでした。

人と会うのが、話すのが、何よりも好きになるのが怖かった。

人がいる所はなんとなく嫌だったから、あまり人が通らない静かな公園のベンチに一日中座ってて。

視界がずっとぼやけてたの。でも泣いてるわけじゃないの。

自分は生きたいけど、誰かの力を借りていきたくない。できる事なら一人で生きたいのになって…

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